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本・DVD・映画などの感想とか。 妄想したりネタバレしたりします。

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【あらすじ】
馬込光代は双子の妹と佐賀市内のアパートに住んでいた。携帯サイトで出会った清水祐一と男女の関係になり、殺人を告白される。彼女は自首しようとする祐一を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か?毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した傑作長編。

★★【総合】
★★★★★【とっちらかり度】


映画化された小説です。
映画はまだ見てません。

読み終わった感想はというと・・・

ん~、とっちらかっていて長い。

前回読んだ「告白」と感想が似てしまうんだけど、
読後に何も残らなかったんだよな。

いや、登場人物の気持ちはわかる。
切なかったりもしたし、むかついたりもした。
でも、「ふーん」で終わったちゃったんだよな。

前回の「告白」もそんな感じだったし、
もしかして私が悪いのか???と思い始めたり。


↓↓↓↓


とにかく前半が長い。
どうでもいいんじゃないか?っていうエピソードが多い。
殺された佳乃が見栄っ張りで、出会い系サイトに登録している事を隠していたり
本当はどうでもいい男(祐一)に会うのに、モテ男(増尾)に会うと嘘ついていたり、
援助交際をやっていたりする描写はいい。

しかし、餃子屋に行って女3人の会話をだらだら書くのはなんの戦略があったのか?
ここに伏線が?
とか穿った見方をしてしまったんだけど、別になかった。

もっと言ってしまうと、佳乃の友達2人はなんだったのか?と。
片方の友達を使って負けず嫌いで見栄っ張りという佳乃の性格を出したかったのはわかる。
しかし、もう一人に心を開いていたかというとそうでもない。
だから、何にもわからない。
後半は出てこないし、一体なんだったのか?と思ってしまう。

そんな事が前半ではちょいちょいある。

言い方悪いけど、ページ数を稼いでいる感じ。

もっと、簡潔に書く事も出来ただろうと思うし、それによって印象が変わるという事も
なさそうな気がする。
ま、作家ではない私が簡単に言うのもなんだけど。

それと、登場人物が多い。
多いんだが、いなくてもいい人が多い。
だから、話が散漫になってしまう。

一体、どの部分が言いたいのか、何をしたいのかが見えない。

佳乃の両親の憔悴、恨み、怒り
増尾の本当は小心者故に他人を踏みにじって自分を保つ様
祐一祖母の決心
祐一の淋しい心
光代の依存心

これでも多い気がするのに、「何のために出てきた?」という人がまだまだ出てくる。
そして、佳乃の事件に関しての感想をちょこっと挟んできたりするので、
消化不良で終わる。

文庫上下巻合わせて552ページぽっきりで、そんだけ詰め込んできたら
全体的にふんわりした感じにならざるを得ないわな。

もう少し誰か一人に焦点を当てて、書いてほしかったなと思う。


そんなふんわり感が漂うから、祐一が光代を本当に好きだったかどうか全くあやしい。
光代も祐一が好きだったのかどうかあやしい。
良い意味で、ではない。わざとあやしくしている、とかではなく。
全くわからない。

寂しい者同士が寄り添って、愛という錯覚に陥ったのかもしれない。
そういうのもアリだと思う。
思うんだが、上記のように詰め込み過ぎなため、
読み手としては「突然そうなっちゃうの?やっつけ?」と思えてしまう。

とにかくこの二人がくっついて逃避行しないとクライマックスとしては成り立たないわけだ。

だから、文庫本上巻の最後の方に光代が突然現れて、
なんだかいきなりラブラブモードになられても。

あと、光代が登場するちょっと前に、
風俗でお金貯めてやっと小料理屋を開いたのにすぐ病気になって
お店を畳まざるを得なくなった、ものすごーーーく可哀想な女性が出てくるんだが、
この人もダラダラ話をするもんだから、光代との区別が付きにくかった。

祐一がいろいろ勘違いしながら生真面目にこの女性にのめりこんでしまう
というのを言いたかったんだろうけど、こんな設定いるか?
風俗はいいさ。それは必要。
でも、小料理屋を開いたけど病気になったとか、それは必要ないだろう。
だから何よ、と思う。で、彼女はいったいこれからどうなるのよ、と思ったところで
その後はない。(風俗にカンバックしたぐらい)

こんなどうでもいい設定を細かく考えるくらいなら、
光代と祐一の葛藤とか、愛があるのかないのか、とか
そういうのが欲しかったな。

それともう一つ残念だったのは。

佳乃のお父さんが最後、増尾に復讐に行って、切ない言葉を言うんだが、
上記のようにいろんな事を散らかしたまま無理やり詰め込んでいるので、
お父さんの言葉があまり響いてこない。

というか、取って付けたようなエピソードになってしまっていた。
「この辺で被害者の親の気持ちを入れとかないと」みたいな感じ。
良い事言ってるんだけどさ。
泣ける部分なのに。
本当に残念だ!!

さらに。

「全員が被害者にはなれない」と祐一がわざと光代の首をしめて被害者にしようとしたのも、
光代はわかってるんだか分かってないんだかよくわかんない供述も
もう少しうまくやって欲しかった。
光代が全く分かってなかったとしても、淋しさと愛を錯覚してたみたいで良かったと思うし、
きちんと把握していたのなら、光代には愛があったと思えただろうし。

どれも中途半端に掘り下げていて、唐突に始まるから散らかる印象になってしまったんだと思う。

いやー、ほっっっんとーーーーーに残念。

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