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本・DVD・映画などの感想とか。 妄想したりネタバレしたりします。

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あらすじ:
人工授精やフリーセックスによる家庭の否定、条件反射的教育で管理される階級社会――かくてバラ色の陶酔に包まれ、とどまるところを知らぬ機械文明の発達が行きついた“すばらしい世界”!人間が自らの尊厳を見失うその恐るべき逆ユートピアの姿を、諧謔と皮肉の文体でリアルに描いた文明論的SF小説。


★★★【総評価】
★★★★★【読みにくさ】
★★★【羨ましい】


この本は78年も前(1932年)に書かれたもので、初版は35年前のようです。
ですが、作者の予想はあまりはずれていないように思います。
本当だったらすでにドラえもんがいるはずの21世紀ですが、
どうやら科学はそこまで進歩しないらしいぞ、と慌てた
藤子F不二雄先生が、急遽22世紀という設定にし直した様に、
科学の進歩の先を読むというのはなかなか出来る事じゃありません。

しかし、この翻訳は読みにくい。読みにくいったらありゃしない。
やっとの思いで読み終わりました。
やっぱり外国の翻訳小説は嫌いだわ。

さてそんな愚痴はともかく、この本の世界では、すべての人類が統制され、不満のない世界なので
素晴らしく安定しています。
もちろん、この安定を維持しているのは、遺伝子操作や洗脳の賜物です。
それを良しとするか悪とするか。
意見が分かれるところです。


この世界には神様はおらず、代わりにフォード様というのがいます。自動車王のね。
結婚という制度はありません。
子供たちは試験管で生まれ、その時点で階級(=仕事内容)が決められます。
その階級によって容姿も違いますが、自分のいる階級が一番だと教えられますので、不満は出ません。
「父」や「母」という言葉はもはやエログロと化しており、その言葉を聞いた女性は頬を赤らめます。
というわけで、フリーセックスです。
たまりませんね。

気分が落ち込んだら「ソーマ」という副作用のないクスリを飲めばパーッと明るくなります。
最近ではサイバーノ○ピーなどがそうです。

そして、ばっちりな栄養管理の下、老ける事無く60歳になると皆一斉に死にます。
老いや死に関しての恐怖を取り除く洗脳をしてあるから、大丈夫です。

そんな世界なわけですが、「野蛮人保護地区」という電流柵に囲まれた地域に「野蛮人」と言われる、
いわば今の世界の私たちのような人もいます。
ここでは、結婚制度があり、母のお腹から生まれ育った人がいます。
「すばらしい世界」の人たちから言わせると、吐いてしまいそうに気持ち悪い出来事だそうです。

話の中盤で、この「野蛮人」が「すばらしい世界」へやって来ます。

もちろん、常識が全く違いますから、話がかみ合いません。
この辺りの噛み合わなさ具合や、生活の違いなどがもっと出てくるのかと思ったのですが、
え?そっち行っちゃうの?ってな具合に話がずれて、なんだかイライラしてきます。

というのも、この「野蛮人」がちょっとおかしい。
野蛮地区でいじめられていたんで、精神が歪んでるんですね。
ま、いじめられてたのには理由があるんですが、めんどくさいので割愛します。
ヒント→母親がすばらしい世界の人だった

そんなわけで、ちょっとイッちゃってる野蛮人は、シェイクスピアで言葉を覚えたので、
話すことがいちいちシェイクスピアのセリフだったりします。
この辺、シェイクスピアとかの学が全くない自分には非常に苦痛でもありました。
そして、母親がすばらしい世界の人だったので、フリーセックスを野蛮地区に持ち込んでしまったんですね。
おかげでセックス嫌いになります。
誘ってきた女は「インバイ」だそうです。もったいない。
そんで鞭で叩きます、自分を。
倒錯してますねぇ。
・・・あれ?そういうプレイなの?もしかして?

また、後先考えず思いのまま革命を起こそうとするので、簡単に取り押さえられてしまいます。
もう中2病まっさかりです。
恥ずかしくて見てられません。

野蛮中2病が今の世界の代表では、イマイチ自分を重ねる事が出来ません。
この辺は書かれた時代によるのかもしれませんが、なんとなく読者の私は置いてけぼりです。

こんな有様なので、今の世界の私たちとこの「すばらしい世界」の人たちとの
常識の差によるめくるめく面白いお話はほとんどありません。

なので、この野蛮中2病に関してはもう書くこともありませんのでまとめにいっちゃいます。


この「すばらしい新世界」は怖い世界だ、というレビューをたくさん見ました。

果たしてそうでしょうか?

私は本当にすばらしい世界だと思ってしまいました。
深い悩みは何もなく、老いもせず死も怖くない。
毎日の仕事はきちんときまっており、それ相応の生活で何も困らない。
一体これの何が「怖い」のでしょう?

「悩まない」という事でしょうか。
ロボットにも近いではないか、と言われそうですが、
そうではなく自分の意思(それが睡眠教育のたまものだとしても)で動き、笑い怒る。
今の私たちだって、生まれた時から色んな物に洗脳され今の常識が出来上がっているわけで、
何かの違いがあるのでしょうか。
「考えたり悩まない」から「ロボットのよう」で「人間の尊厳」がないのは「怖い」事だ、と思っているのは
そのように刷り込まれてるからじゃないでしょうか。

え?そんなんで生まれた意味があるのかって?
もとから生まれた意味なんてありませんのでどうでもいいです。
結局は細胞が分裂しただけですから。

この話の帰結としては、この野蛮中2病が最後に自殺します。
もう中2病をこじらせて死んだ、としか言いようがありません。
自分ならさっさとソーマを飲み、押尾先生のようにヤリまくり、仕事をもらって働きつつ
溶け込んで生きていくかもしれません。

ただ、今の世界での常識で30半ばまで生きてしまいましたから、
どうしようもない虚しさ、寂しさなどは感じてしまうでしょうね。
そこでどう思うでしょうか。
この感想は、その年齢年齢で変わってきそうな気がします。
今の自分は、この「すばらしい新世界」に初めから生まれたかったと思うでしょう。
前の世界に帰りたいとは思わずに。

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無題

中2病ってこのブログ主の事じゃない?w
  • by 権兵衛さん
  • 2011/04/14(Thu)22:21
  • Edit

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