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あらすじ：
予知能力を持つ男、クリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)。だが、彼に見えるのは、たった〈2分先〉の未来
だけ。しかも、それは自分に関わる未来のみ。そんな折、LA史上最悪の事件が勃発。テロリスト
グループがLAに潜入、核爆弾をどこかに仕掛けたのだ。FBIのカリー・フェリス(ジュリアン・ムーア)は、
この大量殺戮を防ぐため、クリスの予知能力に目をつけ、事件解決に利用しようとする。


★★【総評価】
★★★【ハゲ】
★★★★【そりゃねーよ】
★★★★【笑う】

ニコラスケイジのニコラスケイジによるニコラスケイジのための
ニコラスケイジプロモーションムービーです。
【笑う】ってのをつけましたが、決してコメディではありません。
いたって真面目に撮ってます。

しかし、笑う。笑っちゃう。

だいたい共演者がジュリアンムーアですからね。
伝説の映画、「フォーガットン」の主演ですから。
こんな話になっても仕方ないのかもしれません。

ニコラスケイジは２分先の未来が見えます。
なので、それを利用してマジックショーなんぞやっています。
その能力をなぜか知ってる、FBIジュリアン。
「なんで？」
「FBIだからです。」
「ああそうですか」
となるわけがありません。
しかし、そんな事はおかまいなしに「FBIだから何でも知ってて当然です」という
感じで、ニコラスに相談を持ちかけます。

しかし、逃げるニコラス。
ニコラス、すたこら逃げる。
すいません、言ってみたかっただけです。
たかが２分先を予知したからって、アメリカを、いや世界を救えるはずがありません。
そりゃそうです。
２分ってラーメンも出来たか出来てないかくらいですからね。
それって予知と言えるのでしょうか？
長年人間として暮らしていれば、だれでも２分先のことはだいたいわかりそうなものです。

まあそんなこんなでFBIから逃げるニコラスに、途中お約束の美女と出会います。
一目ぼれするニコラス。
いろんなアタック方法を考え、２分後を予知し、ほとんど玉砕するニコラス。
これも予知と言えば予知ですが、基本的な想像力と言えばそうとも思えます。
予知としては、フォーガットン・ジュリアンからの追っ手をまくのに便利だったり、
悪いヤツラが来たりする事が分かったりはしました。
しかし、なんと言っても２分後、武装するには遅すぎます。

突然ですが、アメリカは案外危ない所です。
ピストル所持してたり、ちょっと思いも付かない様な猟奇的殺人があったり。
しかし、このお約束美女は簡単にニコラスの車に乗ります。
簡単に知らない人の車に乗ってはいけません、と教えられなかったのでしょうね。
かわいそうです。

だから、モーテルに入ってベッドインです。
いたしかたありません。彼女のミスです。


さあ、ニコラスファンお待ちかねの胸毛堪能シーンです。
頭に毛はなくとも胸にある！
ってなもんで、長いまつ毛（主に下まつ毛）とたらこ唇で女性ファンをメロメロに、
してる、はず、です。（なぜか息切れ）

ここまではストーリーとして案外面白いです。

しかし物語りはこっから。
なんかの駆け引きで（もう忘れました）ニコラスはFBIと組む事にし、
テロリストと戦います。
物語も加速しますが、笑いも加速します。

とにかく２分後が見えるわけで、相手の直前の出方がわかるわけですよ。
それをヒュンヒュンと交わす様が笑えます。
ニコラスの真面目なのにニヤケ顔がすべるように動いていく。
こんなに面白い人はあまりいません。

そこだけでも面白いのに、
なんと、ニコラスが分裂するんです。
あのニヤケ顔がここそこにたくさんいるんですよ。
これだけでもう笑えます。
え？
ニコラスの能力って予知だけじゃなかったかって？
そんなの知ったこっちゃありません。
どでかい画面にたくさんニコラスがいるんですよ。
しかも、それが全員テロリストと対決するんですから。
「マジメか！」
と突っ込みたいところですが、マジメなんです。
やりますね、ニコラス。
さすがです。
緊迫する場面のはずですが、見てるこっちは全くユルユルです。

しかしここまで頑張ったニコラスの努力の甲斐もなく
テロリストによって爆発されてしまいます。
そうです。失敗です。

一体なんだったんでしょうか。予知能力。
ハリウッドなのに地球爆発のバッドエンドでいいのか？と思ったら！！！！！！



驚きの結末ですよ、ああた。

なんとカワイコちゃんとベッドインのところまで戻ってきちゃいました。

そうです。
これは全部ニコラスの妄想（予知とも言えなくもない）だったのでした。チャンチャン！

ズコーですよ。

しかも、彼女と一緒にいるとどうしてもこのテロリスト関係に巻き込まれると
妄想が言っておるので、彼女と別れるニコラス。

やり逃げじゃんよーーー、それ。
あんなカワイコちゃんとやり逃げってずるくね？

だいたいこれはニコラスの妄想（予知ともいうかもしれない）ですから、
ただの逃げ口上にしか思えません。
いや、ホントはそうなのかも？

マジでカワイコちゃんだから一目ぼれは嘘じゃないよ。
でも、やってみたらなーんかイマイチだったんだよね。
しかも、案外派手かも？
オレってしがない貧乏マジシャンだから、この子に食いつぶされちゃうかもしんねーなー。
とりあえず、ここはごちそう様って事でなんかうまく逃げる方法ねぇかなぁ。

あ、オレ、マジシャンだし、予知出来るって事でよくね？
なんか、俺たち一緒にいると、最終的に地球爆破になっちゃうから、
このままで別れよう。
オレだってずっと一緒にいたいさ。
でも、地球爆破だよ？
何億もの人たちが一瞬で死んでしまうんだよ？
そんな事出来るかい？出来ないよね！（ここで涙）

良くね？これで良くね？完璧じゃね？
よしこれで行こう！！！！


と思った可能性も捨て切れません。
という事は、やり逃げの口実を見せる為にわざわざハリウッドを動かしたのか、という事にもなります。

エンドロールの瞬間、一旦は金返せ！と思ったのは嘘ではありません。
しかし、今にして思えば、
ものすごいお金をかけた、ハリウッド制作の大仕掛けのコントだったんではないか、と。

いや、きっとそうに違いありません。
この映画はアクションではなく、「コント」だったんです。

しかしハリウッド一のコントといえば、「フォーガットン」。

コントだとしても2番手、でもまぁいいや、と思わせる力がニコラスにはありますね。
いやあ、やるなぁ、ニコラス。

私はニコラスを応援します。