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本・DVD・映画などの感想とか。 妄想したりネタバレしたりします。

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★★★★【総評価】
★★★【お値打ち感】
★【萌え】
★【18禁】


著者の香山リカさんは、精神科医。

豊富な臨床経験を生かして現代人の心の問題のほか、
政治・社会・サブカルチャー批評など
幅広いジャンルで活躍している。

そしてこの本では、
読者にむけて「ふつうの幸せ」を手に入れる方法を
提示しているよ。

これまで意識的にか無意識的にか、
しがみついてきた何かを振り払うことで、
ふつうの幸せな生活が送れるんだよ、というわけだ。

じゃあその『ふつうの幸せ』って
どんなものなのか?

これまで私たちがしがみついてきたものは
何なのか?


当然気になるよね?
というところで、香山さんなりのルールが紹介される。


大きく10個に分けられた対象は、
「恋愛」や「自慢・自己PR」、「老・病・死への恐怖」、
「過去のつらい記憶」、「仕事」、「子ども」、「お金」、
「生まれた意味」など。

このなかでとくに興味深かったのは、
「恋愛」だよねやっぱり。

んで、まずは言わせようか。

曰く「人間の幸せの象徴ともいえる恋愛に
すべてをささげてはいけないよ」という意見だった。

その根本にある考え方は、
「恋をしているからこそさびしい」という
逆説的なもの。

これはどういうことかというと、つまり、
「恋する相手に会えない時間がさびしい」
になる。


なるほど、これはある。
比較的女性に多い?

人生における恋愛の比重が、
仕事や趣味、その他人間関係の
すべてを凌駕してしまうような場合だ。

だからこそ、できるだけ恋愛に(相手に)寄り添うことなく
しっかりと立って歩こうと香山さんはいうんだね。


心の問題を多く扱ってきた先生だから?
本書でも人間の心理や行動パターンを通じて、
現代の「ムリをする」生き方、「成功ばかりを目指す」生き方
などに警鐘を鳴らす。

デキる女のシンボル「勝間和代」もやり玉に挙げられる始末。

  全員が「成功」するわけはない。
  そもそも「成功」が幸せなのか。

そんなことを考えて、心が苦しくなって、
病気が増えるくらいなら、「ふつうが一番」、
「ふつうでいきましょいう」と彼女は訴える。

たしかに、メディアなどが美化するする。
ときに大きくねじ曲げて取り上げるし、
そんな「成功者の人生」は、人が羨む“幻想的な世界”を演出しちゃう。

でも?
それが必ずしもすばらしい人生で、
すべての人に当てはまる唯一の正解というわけでは
ないよねー。

また、成功者にはまったく悩みがないのかといったら、
決してそうではないはずだし。

作られた幻想を多く見せられて、聞かされて、読まされて
むしろ私たちは食傷気味なのかもしれないぢゃん。
いや、そうだと思う。


著者の主張には賛否があるだろう。
一つの意見に対して、人それぞれの感じ方があるからね。

だからって?
考えるきっかけを与えてくれる本は
基本的に良い本だと思う。

最近、読破することはもとより、
ページめくることさえ苦痛になる
本がわりとあるから。

そういった意味で、
本書の役割は大きいと思う。

「香山にも勝間にもしがみつかない」ことも
わりと大事だよって気づかされるから。

まぁぜひ一度、
手にとってみて。




『しがみつかない生き方』
(幻冬舎/著:香山リカ)

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