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本・DVD・映画などの感想とか。 妄想したりネタバレしたりします。

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あらすじ:
少年時代、遊び仲間だったジミー、ショーン、デイヴ。あるときデイヴが車で連れ去られ、性的虐待を受けて帰って来る。それから25年後、ジミーの娘が何者かに殺され、同じ夜、血まみれで帰宅するデイヴ。刑事になっていたショーンが事件を担当することになり、3人の運命が改めて交錯する。


★★★★【総評価】
★★★★★【悲しみ】
【もう一度見たい】
【エロ】


うーん、暗い。そして重い。
水の中で岩にくくりつけられ、息苦しさにもがいている感じのする映画でした。

ラストの理不尽さ。
正直、共感は一切できず、どうしてそんなラストにしたのか?と
クリントイーストウッドに小一時間、問い詰めたかったくらいです。
いや、わかってはいたんですが、あまりの辛さに背けたくなったんですね、現実から。
でも共感は全く出来ません。

このラストは強烈に頭の中に残っていて、それはそれで良い映画なのかな、とも
思えなくもありません。
が、もう2度と見たくない映画でもあります。

映画というのは、原作者の言いたい事や監督の言いたい事なんて実際はどうでも良くて、
どれだけその映画に引きずり込まれたか、というのが大事だと思うわけです。

そういう点では、ガッツリ引きずれ込まれましたし、その後も引きずりました。


3人の幼馴染。
2人はなんとか逃げられたが1人だけ捕まって性的暴行を受ける少年。

もうこの時点で、鬱。

「なぜ、ボクなんだ」
「あいつが犠牲になってくれて良かった」
「あの時、あそこにいなければ」
「あそこでみんなで遊んでいなければ」

そんな思いを背負って大きくなる3人。

3人のうちの1人、ショーンペンの娘が殺された。犯人はわからない。
その犯人を追う刑事は3人のうちの1人、ケヴィンベーコン。
容疑者は3人のうちの1人、性的暴行を受けたティムロビンス。

悲劇的な事件で皮肉にも3人は顔をあわせる。

もう、ティムロビンスが怪しすぎる。
だって、返り血を浴びて帰ってくるんですよ?
そりゃ奥さんだって怪しむよ。

ま、いろんな思いが交錯して上映時間は過ぎていくのですが、
結局、犯人は捕まらず、
イライラするショーンペンはティムロビンスを自供するよう追い込みます。
暴力でだったり、騙しだったり。
このショーンペンの追い込みに耐えられなくなったティムロビンスは
自分がやった、と嘘を言います。
そして、ショーンペンによって殺されるティムロビンス。

その後捕まる真犯人。

ショーンペンは何事もなかったかのようにまた生きて行くのです。
奥さんに励まされながら。

なんでしょうか、この理不尽さ。
強い者が勝つんでしょうか。
結果だけ見ればそうかもしれません。


とはいえ、ショーンペンも弱いんです。
自分の娘が殺された事件に真正面から立ち向かえない。
だから、ティムロビンスに八つ当たりする。
いいえ、自分の娘の事件だけではなく、
自分の犯した罪に真正面から立ち向かえないんです。

あの日、ティムロビンスだけ連れて行かれ、自分は何もされなかった。
でも・・・。あそこで遊ばなければ、あのコンクリートに名前をかかなければ。
もしかしたら、自分のせいかもしれない。

その呪縛から逃れられないんですね。
確かに心の傷は深いと思います。
自分にそんな事があったら、と想像してみても、なかなかうまくいかないほどです。
でも、だからって何をしてもいいのか、というわけではありません。

この傷を癒す為に、何をしてもいい。
ショーンペンにはそんな気持ちが根底にあるような気がしてしまいます。

もっとも、一番の傷はティムロビンスです。
この事件のお陰で多重人格障害になります。
そのせいで、別の殺人事件を起こすわけです。
それを勘違いしてしまったんですね、奥さんは。

最後が本当に強烈です。

間違ってティムロビンスを殺したと自分の妻に打ち明けるショーンペン。
妻はショーンペンを励まします。
「あなたは愛する者のためならなんでもする。町を統治するには犠牲はつきもの。
私たちは強いのだから、乗り越えられる」と。
そしてショーンペンはその言葉を聞いて自信を取り戻します。

その後、町のパレードで、殺されたティムロビンスの妻は1人寂しそうにぼんやりと立っていました。
分かっていながらシカトするショーンペンの妻。あきらかに見下しています。

こんな感じで終わるわけですが、この最後、一体何が言いたいのか私にはわかりませんでした。

どんな手を使ってでも、生き残った者が勝つ。
そういう事なのでしょうか。

しかし、ショーンペンは分かっていないのです。

ティムロビンスはまさに被害者であり、その苦しさから別の人格を作り上げ、
その人格は、幼児性愛者に向かい殺してしまう(これが勘違いを作り上げてしまった事件)ということ。
ケヴィンベーコンは、警察になり悪を取り締まっていること。
この2人は、悪に立ち向かっているのです。
しかし、ショーンペンは違う。
心の傷を正当化するための殺人を繰り返す。
あの時、ティムロビンス本人だけでなく、周りの者がどれだけ苦しんだか知っているにも関わらず。
負の連鎖を自分で繋げている事に全く気付いていないのです。

何もかも、あの事件のせいにする事は出来ないんです。
そこから出られず、もがいているのはショーンペン自身。
行動の強さの裏返しは心の弱さ。
ショーンペンが崩壊してしまう日はくるのでしょうか。
きっと必ずまたショーンペンの身に辛い事が起きるでしょう。
恨みは耐えないのですから。

考えさせられる映画でしたが、もう2度と見たくありません。

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