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本・DVD・映画などの感想とか。 妄想したりネタバレしたりします。

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シャッターアイランド、2回目です。

結末が結末だけに、もう一回見てみようと思いましてね。
私もヒマですな。

というわけで、ネタバレ全開で行きますから、お気をつけて。

始まりは霧の中からでした。
1回目はほとんど記憶にも残りませんでしたが、
2回目ともなると、ははぁん、と上から目線になりますね。

これはディカプリオが目を覚ます(悪い意味で)という事なのでしょうね。

しかし、あの結末を信じて見ると、なんつーかコントのようです。
(前もそんな映画あったなぁ)

ディカプリオはいいんですけど、相棒のチャックとか、ものすごい熱演ですね。

おっと、本格的にネタバレになりそうなので、下に行きます。

という事で、初めの方なんてなんだか見てるこっちが恥ずかしくなりました。
ディカプリオは仕方ないとしても、チャックは知ってるわけで、周りも全員知ってるわけで
相当演技の経験がないと笑っちゃったりしないのかな?と思ったり。

で、警備員や看護士なんかはチャックと目で合図してたり、
1回目は“ボス”ディカプリオの動向を探ってるのかと思ってましたが、
“相棒”チャックはそうではなくて、ディカプリオが危険な状態にならないか、
体調は大丈夫か、次は何を言い出すのか、そういったことを気にしてんだな、と。
良い医者だよね、シーアン先生。

で、チャックは終始ディカプリオに「大丈夫か?」と聞いているんですね。
優しいです。
薬が切れての禁断症状を心配してるんだと思うんですがね。
それとコーリー医師も、実は見守っているんですね。

ディカプリオが主役だし、ディカプリオが勝手に疑惑を持っているだけなんですが、
観客はどうしてもディカプリオに寄って行ってしまうわけです。
だから、コーリー医師がただ見守っているだけなのに、
「なんか裏で悪い事してんじゃないか」とか「いつか殺しにくるんじゃないか」とか
邪悪な顔をしているように見えてしまいます。
こういう所でミスリードさせていくんですね。


さて、捜索している所を見に行くわけですが、警備員?(捜索隊)はヤル気なし。
これも1回目の違和感だったんですが、
そりゃそうです。
初めからいない人を探すんですから、ヤル気もないですわな。
しかし、それに言及しないディカプリオ。
気が付かないんです。

また、要所要所でディカプリオの心をえぐるような事を言われます。
本当の姿のディカプリオを遠回しに言っているんです。

実は、ディカプリオの心の奥底では「自分は患者だ」という事を
気が付いているんではないかと思います。
というのも、ちょこちょこディカプリオの本当の姿について、
いろんな人が本人に言っているのですが、
図星的な事を言われると、顔がピクッと動くんですね。
心の奥では、「そうだよ!」と思っていても、前面に出てる心が「違う!」と否定する。
その時顔がピクッと動くんです。
細かいなー。


前回最後のほうに書いた、事情徴収の女性が手にコップを持ってるふりをする謎。
結局よくわかりませんでした。
実は、その前に妄想の中の奥さんも酒瓶を持ってるフリをします。
その直前は本物のビンを持っているのに、突然ビンは消え、でも手は持っている形になるのです。
この時、それまでの映像は本当にあった記憶で、
ビンを持っていない所から妄想に入るのかなーと思いました。
この後、奥さんの背中は焼けて灰の降る中でのシーンになるので。
しかし、事情徴収の女性の場合、その後に妄想とはならなかったんですよね。
うーん、難しい。

で、まぁいろいろあって、とうとうC塔に乗り込むわけですが、
ここはディカプリオがいた場所です。
また、凶悪だったり重症な患者が入ってる塔です。
ここでは話しを合わせて演技なんて、とてもじゃないけど出来ません。

ある患者がディカプリオに挑発します。
その挑発に乗っかってディカプリオは半殺しにしてしまいます。
なんの躊躇もなく首を絞めるディカプリオ。
前半、あんだけ戦争に行って殺しはたくさんだ、と言っていたにも関わらず。
そして、看守とチャックが2人を引き離し、医務室へ運ぶのですが、
ディカプリオも行こうとします。
しかし、看守は言います。
「お前はいい!その辺うろうろしとけ!」

そうです。看守は知っているわけです。ディカプリオは捜査官ではない事を。
またC塔をよく知っているはずだと。

このC塔でのセリフは全て勘違い出来るようになっています。
1回目、捜査官としてのディカプリオで見たときと、
2回目のアンドリューディカプリオで見たときと、意味が全く違ってきます。

まあーうまい具合に挟むね、「レディス」という名前を。
どっちにでも取れるもんね。
でも言葉なんてそんなものかもしれません。
どっち側に立つか、どの場所にいるのかそれで何もかも違ってしまうんでしょう。

ジョージノイスが言ってる「レディス」はもちろんディカプリオの事。
ここで、ノイスは言っています。
ディカプリオは嘘つきだと。
そらそうです。妄想が本当だと思っているのですから、第3者から見れば嘘つきです。
ノイスはさらに言います。
「あの女は忘れろ。あの女は死んだんだ。そうしないと死ぬぞ。」と。
ノイスはきっと悪いやつじゃないんだろうね。
一番的確なアドバイスをしています。
あんなにボコボコにされたのに。
きっと優しいやつなんでしょう。統合失調症じゃなかったらね。っていうか早く治療していればよかったのに。

幻覚の中の嫁は、実際のディカプリオの姿について言ってるかと思いや、
危ない事も言います。
結局はディカプリオが作り出してる幻想ですから、自分に都合良い事しか言わないわけです。
途中「レディスを殺して」と嫁は言います。
これは考えてしまう所です。
この時の状態のディカプリオからすれば、放火魔レディスなわけですが、実際は自分です。
ただ単に「自分(嫁)を殺した放火魔を殺して」と言ってるのか
ディカプリオの心の奥の声の「自分を殺せ」なのか。

次は洞窟にいた本物?のレイチェルです。
このレイチェルは妄想の中の架空の人物です。
この時、ディカプリオに言います。
「精神病としてしまえば誰もいう事を聞いてくれない」と。
これは 捜査官になっている ディカプリオの気持ちなのでしょう。

この島の医者にディカプリオは捜査官である自分が作った話を何回もしています。
ディカプリオ自身はそれを信じて疑わないのです。
しかし、本来は違う。
そこの矛盾や嘘や虚構をたくさんつつかれたのでしょう。
だから、ディカプリオは言います。
「切り返すと言い訳だと言われる」と。

幻覚、幻聴が激しいので有名なのは統合失調症です。
これは100人に1人はなるポピュラーな病気らしいです。
彼らは幻覚・幻聴を本当だと思っています。
一番多いと思われる幻覚は「誰かが監視している」「国家が自分を狙ってる」などで、
国家がわざわざ平凡な国民一人だけを狙うわけがない、と
普通の精神状態なら思いますが、彼らはそれを本気で信じています。
どんなに矛盾点を突いても意味がないのです。
理屈が出るところは反撃しますが、完璧に論破すると聞こえなくなります。
そして、「お前も敵か」となり、一切言う事を聞かなくなります。
それは病気だからです。
ディカプリオも一緒(病名は統合失調症かどうかは不明)で、
彼の中では本当の事であり、実際の出来事なのです。
なので、このような自分の意見を正当化する人が現れたのではないかと思います。

また、夢の中で“放火魔レディス”が登場します。
彼は言います。「友達だろ」と。
私は精神科医ではないので、なんとなーく映画の深読みってだけで言いますが、
ディカプリオは人格が分裂しかかっているのではないかと思いました。
酒をのみ、暴れまわる“放火魔レディス”。
嫁は放火魔に殺された可哀相な“一流捜査官テディ”。
そして、本当の彼は戦争のトラウマ、面倒な嫁から逃げて嫁を壊した上子供たちを殺し、そんな嫁を殺した
過去を受け止められないアンドリュース。

とにかく、なんとか現実を認識させる為、ロボトミー手術をしないようにするため、
コーリー医師たちは一芝居打ったわけですが、
いやー、大掛かりすぎだろ、と。

全体的に、コーリー医師とチャック(シーアン先生)が一緒にいる場面は
何度も目で話しあっています。
挑発して大丈夫か?ここまで言うべきか?など2人は探りを入れつつ
ディカプリオと接しているのがよくわかります。

最後は種明かしをして現実を受け止めるわけですが、
やはり2回目見終わった後も、最後までディカプリオはワガママだったという気持ちは消えません。

観客に対してディカプリオは正常であった、と見せなくてはいけないのですが、
わざわざシーアン先生に言わなくても、と。
これだけ頑張ったシーアン先生、コーリー先生に後ろ足で砂をかけるようなこと
なぜするのか、と。

このディカプリオは可哀相な事が立て続けに起こり、それにより心を病んだのは理解出来ますし、
同情もします。しかし、やっぱり不快感がぬぐえません。


やっと長文も終わりに近づきましたが、
これだけの人数全員が賛成してこの芝居にのっかったなんて事は
現実的にもおかしいわけで、映画の中でプゲラしてる人たちもたくさんいました。
その現実味が良かったです。

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