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本・DVD・映画などの感想とか。 妄想したりネタバレしたりします。

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【あらすじ】
精神を病んだ犯罪者だけを収容し、四方八方を海に囲まれた「閉ざされた島(シャッター アイランド)」から一人の女が姿を消した。
島全体に漂う不穏な空気、何かを隠した怪し気な職員たち、解けば解くほど深まる謎……。
事件の捜査に訪れた連邦保安官テディがたどり着く驚愕の事実とは!?

【総合評価】★★★★
【謎解き】★
【CMの煽りは間違い】★★★★★★★★★★
【キ○ガイっぷり】★★★★★★
【頭痛】★★★★★

前宣伝で失敗したわ。
「結末は誰にも言わないで下さい」だとか、
「どんでん返しが待ってます!」みたいなのは、
結局映画の良さを半減させるんではないかと思うんですよ。
だって、この映画のどんでん返しはおまけみたいなもんですからね。

というより、薄々気付きながら見るのが正しいかと。

さて、スコセッシ監督ですが、
私は重い・暗い・長い・わかりづらいという印象の監督で、
見る時は意を決してみないといけない気がするのです。

タクシードライバー・救命士にいたっては正直理解不能でした。

タクシードライバーは名作!と言われているのに、全く理解できず
途中寝るという映画に対して最も卑劣な行為を犯してしまい、
救命士などは序盤30分くらいから、「ながら見」を無意識に始め、
最終的には「ながら見」の「見」じゃない方に全神経を集中させ、気が付いたら終わっていたという
最上の侮辱行為を行ってしまいました。

「デパーテッド」は一緒に見に行った人が途中寝ていました。
一応私は起きてたけどね。
まあこれは面白かった。

そして、この「シャッターアイランド」。
あらすじは面白そうだし、ディカプオも好きだし、でもスコセッシか、という事で
心身ともに体調万全にしてみる事にしました。

結果、面白かった。

スコセッシ監督の印象が少し変わってきたかな、と思いますが、
やっぱり重い・暗い・長いは変わらず。

なんつーのかな、重厚にするためなのかな、暗いしやたらと長い。
もう少しテンポ良く進んでくれると傑作になるのにな、と。

あと、アナグラム好きね、外国人て。

ま、煽り文句にもあるように、結果はこの下でネタバレしているので
見たくない人は見ないで下さい。



ビックリどんでん返し!と煽っといてなんだが、序盤で薄々気付く。
というか、それが狙いなんだとも思う。

ディカプリオ、あんたもしかして・・・という気持ちを持ちつつ見るのが
この映画の正しい見方のような気がする。

だって、矛盾が大爆発なんだもの。

・ディカプリオが怪しい(陰謀がある)と思っている病院なのに、なぜそんな簡単に薬を飲むのか。
・夢の中の奥さんを灰が降る中抱きしめる時も、奥さんのお腹は血まみれ。
・突如えんぴつをこすり出す(それがキライとなぜ知ってる?)。
・事情徴収の際、患者が相棒に水が飲みたいと言って席を立たせ、その隙に「RUN」と書くんだが、
 内緒で書いてるように見せているが、周りにはたくさんの看護士が立っていて、
 その様子を見ている。しかし、誰も何も咎めない。
・看護婦が見つかった患者として出てくる。
・ディカプリオは「殺さない」と言ってるのに、衝動的に躊躇せず患者の首をしめる。
・その後、自分はやっていないと普通の顔で言う。

まだまだ出てくるんだろうけど、私が今ぱっと思い出すだけでこのくらいある。

映画を通してみてると「ん?」という所が随所にちらばっている。
巨匠(笑)スコセッシ監督の映画で、多分相当お金掛けてるはずなので、
ただのNGなわけもなく、なにかしら仕込んでるわけだ。

その矛盾点をディカプリオ、あんたもしかして・・・という目線で見ると納得できる。

精神病患者がたくさん出てくるわけだが、
今ですら解明されてないものが多い精神病の世界。
この時代はもっとわからないわけで、医療界ではいろんな実験を試みてきた。
その一つがロボトミー手術。

今は禁止となっているが、当時は画期的だったんだろうな。
ノーベル賞も取ってるし。


今ではうつ病や統合失調症は脳の分泌物?がどうのこうのと一応そういった身体的異常から
なってしまうというのがわかったが、それでも全部がわかったわけではない。

では、あまりの辛い出来事に心を壊してしまった人はどうしたらいいのか。

その実験がこの映画なわけだ。

正直、心(精神)の病気は、他人には全くわからない。
熱のように数字で出てくるならまだしも、人間にな「嘘」「演技」というものが存在する。

ディカプリオが作り出した洞窟の中の女性は、
「精神病になってしまえば、誰も言う事を信じてもらえなくなる」と言う。
ここにとらわれると、この映画も何が本当で何が嘘(妄想)か分からなくなる。

そこが面白い所なんだけどね。

結局、ディカプリオは精神病患者で、この島での任務や陰謀は妄想だと医者は言う。

上記の矛盾大爆発はそれゆえであり、本来は矛盾していないのである。

しかしだ。
ディカプリオが言ってる(思ってる)事が妄想だと、どうやって証明出来るのか?
この島全体がグルかもしれない。

もし、ディカプリオは正常でいろんな事を嗅ぎ回ってしまったために
ロボトミー手術をさせるのであれば、方法は簡単だ。
薬も飲んでいるのだから、眠らせてその間に行ってしまえばいい。

わざわざ手の込んだ事をするのはなぜか。
このように洗脳したら、人間の脳はどう反応するのかを見たかった、実験したかったとしたら・・・?

など、裏を読もうと思えばいくらでも読める。
でも、そういった描写はない。
やっぱりディカプリオは精神病患者で妄想なのだろう。

このように、グルグル考えてしまうのは、
映画の視点がディカプリオだからではないだろうか。
「ディカプリオは正常である」という思い込みで見ているから、上記の矛盾に気付く。
しかし、ディカプリオはその矛盾に気が付かない。
それが、正常ではない、精神病であるという証拠なのだろう。



ここからは私の深読みコーナー。

ディカプリオには重いトラウマがあり、辛い過去があり、それによる自責の念に押しつぶされた。
夢の中で何度も出てくる奥さんに「愛してる」と言い過ぎている。

ディカプリオは本当に奥さんを愛してるのだろうか。
「愛してる」という事で自分を落ち着けているのはないだろうか。

奥さんは精神を病んでいた。そこからディカプリオは仕事に逃げ、酒に逃げた。
そして、子供たちの悲劇。

奥さんを「愛してる」と言わないと、そう思わないと子供たちは救われない、
まして、自分の罪(処刑)を正当化出来ないのではないだろうか。

ディカプリオは後悔の海に溺れ、辛さから逃れる為に空想の話しを作った。
いない放火魔。でっちあげた奥さんの死亡理由。子供はいなかったという自分の家庭。
そしてここは陰謀渦巻く陸の孤島。

しかし、ディカプリオの心を壊した本当の理由は、奥さんを「愛していなかった」という事ではないだろうか。

最後の最後、ディカプリオのセリフでハッとさせられた人も多いと思う。
私もその一人な訳だが、
今思い返すと、最後の最後までディカプリオは弱い人間だったんだな、と思う。
自殺すら出来ず、他人に始末をさせ、後味悪い思いを主治医に持たせる。
しかも、心の奥底に到達したいという医師を、表面的には失敗に追い込んだわけだ。
わがままだな。


さて、疑問点もたくさんあるこの映画。

まず、一つ目。
患者の事情徴収を行った時、水を飲みたいと言った女性が
コップを持たずに飲んでるフリをしている。
その後、空のコップを持っている。

これは何を表してるんだろう?

(もしかすると、コップを持っているフリは正常な人の目線で、その後の空のコップを持っているのは
ディカプリオの目線なのかな?)

二つ目。
途中の夢の中で、湖で子供を殺した奥さん(ディカプリオのでっちあげの方)が出てきて
ディカプリオに手伝うように言う。
この子供たちが血まみれで死んでいるのはなぜか。
(実際も湖で子供たちは溺死していて、血が出るような死に方ではない)


もう一回見たくなる映画であるんだが、
いかんせん長いんだよなー・・・

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