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本・DVD・映画などの感想とか。 妄想したりネタバレしたりします。

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作者:清原 和博
出版社:幻冬舎


★★★★★★★【総評価】
★★★【良いやられ感】
★★★★★★★★【坊主萌え】
★【18禁】
★★★★★★★★★【18番】

 

いま振り返って、
“彼”がもっとも輝いた舞台「高校野球」は、
ボクのこどもの頃のワクワクの1つでもある。

まぁ多感な時代だから?
ワクワクの1つや2つなんてそこら中に転がっていたかもしれない。

ってことは訂正。
ワクワク【でありハラハラであり、ドキドキ】の1つだ。

つまり、
最上級の楽しみだった。
だからテレビで、ラジオで熱狂した。


夏の高校野球はとくにアツい。
あんな炎天下で泥だらけになってよくぶったおれないな。。。
と、近所の公園の木陰で涼みながら、数名の野球バカと
携帯ラジオを前に語ったものだ。

ちなみに、このときの自分を含めた数名の野球バカは、
連日の練習、素振りを“彼”同様に繰り返した。

何を練習したかといえばゴム野球だ。
駄菓子屋で購入できるカラーバットの芯に
ビニールテープをぐるぐる巻きにして、
そんな工夫をしたがために飛距離が飛躍的に伸び、
公園の場外(近所の庭)までぶっ飛んでいったぷよぷよゴムボールを
必死に追う日々。
どうってことはない。

それでも“彼”と同じくらい野球は好きだった、と思う。
ただ、“彼”とボクたちが違ったのは、「練習時間」
ただそれだけだった。


まぁそれが決定的ではあるんだけど。
実は、それだけではなかったことを
この本を読んで気付いた。

 

“彼”は本書の表紙でも独特の坊主。
こちらを鋭い眼光で見つめる。

いかにも「番長」のそれだ。

華々しくデビューした西武時代も、
挫折を味わった巨人時代も、
「番長」としてのアイデンティティを
守り通そうとした。

“彼”は、男のなかの男。
だれがなんと言おうと、
ボクたちがガキの頃に焼き付けた姿は
いま誰にも消せやしない。

でも、こども時代はどうだったのか?
ぼくたちがあこがれ、多くの野球ファンから愛された、
当時PL学園4番打者の“清原和博”という男は
どんな道を歩んで、そこに到達したのか。

気になって気になって、
結局、いまになってようやく本扉を開いた。


ふっ。


頁をめくりきって、
すがすがしい読後感に襲われる。
その後、じわじわと2つの大きな感情が
わき起こる。


ひとつは
「読んでよかった」という満足感。


もう一つは
「あいつも単なる“野球バカ”だったのか」
という安心感。


天は二物を与えず
とは、もうふるいのだろう。

なぜなら、清原には、
ボールを遠くに飛ばす才能以外にも、
多くの才能があったからだ。

根性という才能、
継続する才能、
勘違いする才能、
そして人を引きつける才能。


彼は幼少時代からいまを振り返り、
「ただ、真っ直ぐに歩きたかった」
と漏らす。

しかしウラを返せば、
「真っ直ぐに歩いてきた」わけではない。

結果的に戦友・桑田を涙させ、
長渕を動かし、ぼろぼろになっても
かっこいいままで花道を通ってこれた彼の物語には、
軌道修正を支える環境、いや社会、家族があったのだ。


中学で150メートルのホームランを打った。
高校では、「甲子園は清原のためにあるのか」と実況アナウンサーに絶叫させた。
プロ入り後は史上最年少で200号ホームラン。

怪物。

しかし、彼にも喜怒哀楽があり、彼はそれが人よりはっきりしている。
勝手なヒーロー像が一人歩きすることもあった。
マスコミによってゆがめられることもあった。
それでも観るものには変わらず、世間に愛されたのは、
まっすぐに歩こうとする「意地」が見えたからだ。

ひと言でいえばボクらと同じ“野球バカ”。
ただし、怪物級の。

 

初版刊行は昨年で、営業上手な幻冬舎からの
リリースということもあって話題になったけど、
そういう営業色、臭いがイヤだったために読まずにいた。

けど、いまは読んで本当によかったと思う。


こどもの頃のヒーローのまま、
本を閉じることができた。

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